2017/03/10 02:21

 

こんにちは。テーブルスタジオオンラインです。

春寒も緩みはじめ、ようやく過ごしやすい気候となってまいりました。新年度を迎えるにあたって、新しい食器を取り入れてみてはいかがでしょうか。

今回は、会津本郷焼の窯元の1つ樹ノ音工房の「コーヒーカップ」と「丸カップ」をご紹介します。

 

そもそも、会津本郷焼って初めて聞いた、聞いたことはあるけどあまりイメージができないという方も多いのではないでしょうか。まずは、会津本郷焼について少しご紹介させていただきますね。

 

会津本郷は、東北最古の焼き物の産地で全盛期には100を超える窯元がありました。会津という肥沃な盆地にあったために、地域内の需要で十分だったことと、自らの作品を売り込むことを避ける会津人気質が、会津本郷焼を焼き物の秘境とならしめたと言われています。

 

そんな知る人ぞ知る会津本郷焼の面白さは、13の窯元それぞれの個性豊かさにあります。陶器と磁器が同時に作られること自体珍しいのですが、さらに、会津本郷焼と総称してよいものか迷ってしまうくらい、作風も、方向性も、考え方も多種多様なのです。

 

そして、その13の窯元のうちの一つである樹ノ音工房。樹ノ音工房は、2001年に会津本郷焼の窯元である父から独立した佐藤大樹・朱音夫妻。窯名は二人の文字を取り、「樹ノ音工房」と名付けられました。若い感性の二人の開窯で、会津本郷焼のファン層が若者層に一気に広がりました。

 

樹ノ音工房の特徴はしのぎと絵付け。「しのぎ」とは器の表面をカンナで彫って作る縦縞の模様のことで、線の美しさと手彫りの柔らかさが表現できます。一方、絵付けの作品は、粉引きの、土もののナチュラルな白磁に、植物や動物など愛らしい絵柄があしらわれています。年を重ね、変わってゆく作風。二人の作品と、会津本郷焼の将来が楽しみです。

 

今回、ご紹介する「コーヒーカップ」と「丸カップ」は、それぞれ「飴釉」と「灰釉」の釉薬を使った作品です。釉薬のかかり具合で一つ一つ表情が変わってきます。また、ポツンと小さなへこみや逆に小さな突起があるものもあります。これは、釉薬の粉ひきのような独特な質感によるものです。このような手作り、自然の現象から生まれた温かみのある個性を楽しんでいただければと思います。

 

和食にも洋食にも、もちろん朝食やカフェにも使いたい作品です。きっといつもの食事の時間をさらに特別なものにしてくれるはずです。入園・入学・就職と新生活を迎える方や、海外のお客様への贈り物などにも喜ばれるのではないでしょうか。

 

いかがでしたか。会津本郷焼や樹ノ音工房の作品に少しでも興味を持っていただけたら幸いです。今回ご紹介したカップは春の訪れとともに食卓に並べてみてください。寒さももう少しの辛抱です。元気で明るい春を迎えましょう。